良好な距離感
新しい幹線道路沿いの住宅地に建つ大きな平屋です。
延べ床面積185.7㎡(56.17坪)
【契約までの経緯】
一度弊社でプランと見積をさせていただき、他社数社を回られた後に弊社を選んで頂きました。
決めてとなったのは、以下のポイント
〇抜け感のある平面プラン
〇断熱に対する配慮
〇要望に対する柔軟な対応
お施主様が家を建てるのは3度目で、豊富な経験の上に成り立つ要求がいくつもありました。
1|風通しと採光
大きなご要望は、二つ
・平面的で抜けのない四角い形状
・建物の隅々まで風通し良く
風通しが良いと”感じる”ためには、日当たりが良い必要があります。
平面的な広がりを作ると、光と風が取り込みにいことから
建物の中央付近に取付けたハイサイド窓を通して「平面」と「風通し」を両立させることができました。
▼ハイサイド窓
▼風と光を建物中央へと導く
2|家事動線、収納
◯回れる家事動線
奥様の趣味は洗濯だけに、一日の洗濯量は相当なものです。
また、以前に飲食店を切り盛りしていたこともあり、キッチン廻りの使い勝手や動線には様々なこだわりがありました。
家事に関する動線はどこも2方向からアクセスできるよう『回れる動線』を様々なスペースに設けることを意識しました。
▼回れる家事動線
◯ユーティリティースペース設置
家事動線の中心に、広いユーティリティースペースを設けました。
動線も整理できました。
機能優先のスペースですが、天井を高くすることでハイサイド窓から適切な光と風を取り込め
気持ちよく家事ができる清涼感のある空間に仕上がりました。
▼ユーティリティースペース
3|家族間の距離感(意味深)
物理的にも、気持ちの上でも、家族とはいえお互いに配慮した距離感が必要です。
ヒヤリングと打ち合わせに基づき、適切な距離感や居場所ができるるよう、
・空間を完全に仕切る
・半分だけ仕切る
・家族を視野から外しつつ気配は感じるように仕切る
等々、レキシブルに空間を仕切ることのできる連装建具と
空間配置を取り入れてこの変化に対応できるようにしました。
▼フレキシブルに空間を仕切る連装建具
4|健康寿命を延ばす温熱環境
我が栃木県は冬季死亡率が全国的に見ても上位に位置しております。
これは、冬の寒さに対しての住宅の温熱環境対策が遅れていることが
原因ともいわれています。
北国出身の方から『栃木の家は寒い』と言われた経験が何度もあり
断熱性能向上に対して興味が薄いお客様が多い感じもします。
打合せの進捗とともに
断熱性能向上にコストをかけることの意義を理解していただき
よい温熱環境の住宅をお渡しすることができました。
居住後はさらに、その効果を実感頂けています。
▼高断熱ウレタン吹付+高断熱サッシ
コストと性能を踏まえた断熱材の使い分け
5|気持ちが上がる空間
『インテリアはお任せします。』と、よく言われます。それもそのはず、ご自身の好みがどこにあるのか把握されている方は少ないからです。
何の手がかりもないことには、お施主様も評価しずらかったりします。
打ち合わせを重ねることで自分の好みに気が付くことは多く、好みが整理でき、はじめて良いと判断されます。
「良い」の手前には、「納得」があると考えています。
今回は、内装の仕上げをはじめとした
・インテリアコーディネイトをeda-haさんに
・照明プランをen lighting designさんに
打ち合わせから提案、そして現場での打ち合わせまでを協力していただきました。
お二人のインタビュー力は相当なもので、お施主様も意識されていないような意識の奥底に眠る好みまでも堀出しておりました。お施主様が完成した建物を内覧した際、心底からの”気持ちの上り”は私たちも実感でき非常に喜ばしかったです。